さくぽんです。
みなさまにご報告があり、ブログを更新します。
2022年より整備を進めてきました-be-北軽井沢キャンプフィールドは、私佐久間亮介が単独で運営をすることとなりました。
2014年に脱サラをして日本全国のキャンプ場を巡り、いつかキャンプ場を持つという目標のためにがんばってきた中で、
今までブログを読んでいただいていた皆様を失望させてしまう形となり、大変申し訳なく思います。
理由は、仕事に対する考え方や、どんなキャンプ場にしていきたいのかなどの意見が大きく違っていたためだと考えます。
また、ブログを読んでいただいていた皆様へのご報告が遅くなり、大変申し訳ありませんでした。
今年になってご来場いただいた皆様の中には、変だなっと思ったキャンパーさんもいらっしゃったのではないかと思います。重ねてお詫び申し上げます。すみませんでした。
今年の春から本格的な整備を行い、ずっとずっと、毎日必死に働いてきました。
自然豊かな場所、自分が過ごしていて気持ちよくて「ぜひみんなに知ってもらいたい、ここでキャンプをしてもらいたい」と思う場所でキャンプ場をやりたいと考えて選んだ北軽井沢。
あっちこっちと探し歩いて、奇跡的に見つけたこの場所。
この土地は、芝生がきれいで、かつ、木々のバランスが素晴らしく、ここに初めて訪れたときにあまりに気持ちよくてここでテントを張りたい!と衝動のようなものを感じました。
ですが、その一方で場内のあちこちで水が沸いてしまうという大きなデメリットがあります。そのため、水捌けの悪い場所が複数あり、それが改善できるか否かが、このキャンプ場が良い場所になるかどうかの分かれ目になります。
そのデメリットをなんとか改善し、この場所で気持ちよく過ごしてもらいたい。
その思いで毎日一生懸命、土木作業や草刈りなどをしていて、とにかく目の前のことに必死で、皆様へのご報告が遅くなってしまいました。
夏の営業が終わり、いまやっと、少し落ち着いてきたので、こうして皆様へのご報告のブログを更新できるような状況になりました。
SNSでは今春にお伝えしていたのですが、本当は自分の原点であるブログで一番初めに報告しなければいけなかったと反省しております。とにかく毎日必死だったためにその余裕がありませんでした。申し訳ありません。
いまはいろんな人の助けを借りてキャンプ場を運営しています。
僕が単独でやると決まってすぐ、地元の友人が手伝いを申し出てくれました。昨年から手伝ってくれていた親友です。草も落ち葉も重たいコンクリートの残骸も砂利も彼がたくさん運んでくれました。
そんな彼と、3月のまだ地面が凍っているなかで整備を始めていたら、管理棟の裏に住む地域の方が手伝いを申し出てくれました。ユンボの操作は抜群で、この人がいなかったら今の-be-はありえません。地域の皆様とのパイプ役にもなってくれて、本当にとても助かっています。
昨年からここの急所である水回りの問題を解決してくれていた地元の先輩も引き続け手伝いにきてくれたり、ブログ界隈の人も草刈りや店番をしてくれたり。
何かわからないことがあれば、他のキャンプ場のオーナーに電話をして答えやヒントをもらったり。 似たような状況の経験談や励ましの言葉をもらうことも多々ありました。
イベントを開催してくれたり、協賛品をご提供いただいたり、撮影でキャンプ場を利用してくれたり。本当にたくさんの人に支えていただいて、キャンプ場を運営しています。
土を掘り、砂利を撒き、草を刈りフィールドを整えながら、
改めて、なぜ僕がキャンプの仕事をしているのか、キャンプ場を運営しているのかを考えることがあります。
僕は「キャンプが人生を豊かにする」と信じてこの仕事をしています。
僕自身がまさにそうだったからです。会社員時代に、毎日が慌ただしくすぎていく中で体調を崩してしまった。そんなとき、自然の中で都会とは違う時間軸で過ごすキャンプに救われたことが、今の仕事へとつながる大きな大きな僕の原点なのです。
そのキャンプの魅力をより多くの人に知ってもらいたいと書き始めたブログ。
時代とともにブログよりもSNSを見る人が増えたり、YouTubeで情報収集する人が増えたりと変化があり、自分の存在意義や立ち位置に迷いがでた時期もありました。
でも、変わらずに思い続けてきたことは、キャンプは人生を豊かにするということです。
そして、それを情報発信だけではなく、自分のフィールドをもってキャンプの楽しみを伝える場を持ちたい。今がまさにその時だと思い、北軽井沢という土地に飛び込んでいったのです。
ひと夏、自分でキャンプ場を運営して感じたことがたくさんありました。
まだホームページもないこのキャンプ場にきてくれて、2泊、3泊、4泊と連泊をして自然の中でのんびりと過ごすご家族やご夫婦、ソロキャンパーさんに、
キャンプの魅力を改めて教えてもらった気がします。
かっこいい道具を買ったり、サイトをオシャレにしてキャンプを楽しむのももちろんいいのですが、やっぱりキャンプの魅力は自然の中で過ごすことにあると僕は思います。
木陰にテーブルとチェアを移動して朝ごはんを食べる時間
高原の涼しい風に吹かれながらする昼寝
芝生をよちよち歩きする乳幼児の姿
虫取りに必死になったり、花を集めて楽しそうにしている子どもたち
夜中に目覚めてしまってトイレへと向かうときにふっと見上げた満点の星
そんなシチュエーションが、普段とは違う場所、豊かな自然の中で過ごすその時間が、キャンプの持つ魅力であり、それを提供できる場であると自信をもって言えるのがこのフィールドです。
その魅力は、目に見えにくい“情緒”や自然や人が作り出す空気感、移り変わりの激しいもの、抽象的だったり、時に天候が悪かったりで簡単に伝えられるものではないのかもしれないですが、
僕が場を持つことで伝えられる何かが必ずあると思うし、
キャンプブームが落ち着いてきている今だからこそ、「キャンプの本当の楽しさ、魅力ってなんなんだ」を改めて問い直し、フィールドを中心に体現してブームのその先を示せる人でありたいとも思っています。
キャンプ場を自らの手で運営するということは大きな大きなチャレンジで、今もそのチャレンジのど真ん中にいます。
今年の夏は台風の影響で、ほとんどのお客様がキャンセルされました。
キャンパーさんの安全を担保できるのか、閉鎖するかどうかの判断にもとても悩まされ、自然相手の商売の厳しさを身をもって体感しました。
気持ちよく過ごしてもらいたいとフィールドを管理していても、広範囲にわたって芝生が焦げていたり、炭だらけになっていたりするときもあります。
とても悲しい気持ちになります。
毎日トイレや炊事場の掃除をするのも大変です。
だけど、いい意味で何かが抜け落ちたような、リラックスしたお顔で「気持ちよく過ごせました。また来ますね」と言われると、
苦労が報われた気がしてまた頑張ろうって心が軽くなりますし、
それがキャンプ場の仕事の醍醐味だよね、と他のキャンプ場のオーナー・スタッフさんと酒を飲み交わしながら話をして、明日への活力になっています。
大変なことはたくさんあるけれど、「キャンプの仕事をする」「キャンプ場をやる」と決めたのは自分です。
ここの土地の持ち主に対しては、安くない賃料を払わなくてはいけません。契約書に判子を押したその日から発生したその責任も果たしていかなければなりません。
-be-北軽井沢キャンプフィールドは、
日々張り詰めている何かの緊張が緩む
ここにきたら日常で背負い込んでいるものを取っ払って、素の自分になれる
そんな場所になったらいいなと思って、「ありのまま」「自分らしく」「原型」という意味合いのある「be」をキャンプ場の名前にしました。
これからも困難なことはたくさんあると思いますが、一歩一歩、確実に、前へ進んでいこうと思います。
そして、僕も僕らしくbeでいられるように。僕も含めたみんながbeでいられるような場所にしていきます。
ここ数年はほとんど更新していなかったこのブログ。長らくのご愛読、ありがとうございました。僕がこのブログを更新するのは、これが最後です。
たくさんの人が「このブログのおかげでキャンプを始めることができました」と言ってくれて大変嬉しく思います。その言葉が僕の原動力となって、キャンプの仕事へと邁進させてくれました。
みなさんのキャンプライフがより良いものになることを願っています。
2023年9月30日 -be-北軽井沢キャンプフィールドにて。
佐久間亮介